天津祝詞・太祝詞ごと ②

つづき。

すみません、昨日は突発的な用事で途中でストップしちゃいましたので、今日に続けます。まずは「天津祝詞」のつづきから。先日もお伝えしたように、天津祝詞はいざなぎ様がいざなみ様との約束を破った時、海に入って反省した訳ですね・・・・・

先に天津祝詞と、その簡単な訳を書いておきます。

『 天津祝詞 （あまつのりと）』

高天原爾神留坐須神漏岐神漏美乃命以氏。
たかまのはらにかむづまりますかむろぎかむろみのみこともちて。

（高天原にいらっしゃいます、神漏岐神漏美乃の神様・・・・・）

皇御祖神伊邪那岐命。
すめみおやかむいざなぎのみこと。

（わたしは神々の親の神になります、名をいざなぎと申します・・・・）

筑紫日向之橘乃小門之阿波岐原爾。
つくしのひむかのたちばなのをどのあはぎはらに。

（筑紫の国、日向の橘という所の小門のあわぎはら（海）で。）

身滌祓比賜布時爾生坐留祓戸之大神等。
みそぎはらひたまふときにあれませるはらへどのおほかみたち。

（禊をして、祓った時に出ていらっしゃる祓え専門の神々様達。）

諸禍事罪穢乎祓給比淸給閉止白須事乃由乎。
もろもろまがことつみけがれをはらへたまひきよめたまへとまをすことのよしを。

（たくさんの私についた罪とか穢れを祓って清めて頂きたいと・・・・・）

天津神国津神八百萬神等共爾。
あまつかみくにつかみやほよろづのかみたちともに。

（天津神様、国津神様、八百万の神々様もご一緒に・・・・）

天乃斑駒乃耳振立氏所聞食止畏美畏美母白須。
あめのふちこまのみみふりたててきこしめせとかしこみかしこみもまをす。

（天にある縁（すみずみ）に至るまで耳を立てて（しっかりと）聞いて下さい。恐れ多い事ですが、よろしくお願い致します！）

・・・と、想像を含めた、簡単な訳をすればこんな感じですね。ただし、この天津祝詞は今は若干、終戦を境に変更されておりまして上記は変更前の天津祝詞。また、いざなぎ様は深く反省され、心からもう一度、素の心を取り戻したいと願いへりくだった言い方をされた参考例の様なものですが、今の自分達は 「このいざなぎ様の反省文をもっと上の神様に伝えて下さい。」 という訳ではなくそれでは意味がない。さらに、「この中にある言霊によって神様に繋がる不思議な呪文」 でも本来はありません。

では、神様のご挨拶としてなぜこの天津祝詞を奏上させて頂くかと言うと・・・。

簡単です。現在の自分達の身とこの時のいざなぎ様の想いを重ね合わせて、「常に自分を省みる心を持って、”素の心”をいつまでも大切に、その心で神様と向き合おう」 という主旨だと店主は考えます。なので、別に覚える必要も無く、紙に印刷された文字をたどたどしく読んでも一向に構わないんです。オーバーに言えば、多少間違えても大丈夫（笑） 大切なのは、「文章の意味」ではなく、この「天津祝詞を上げる意味」 そこを良く理解して頂き奏上して頂けると良いと思います。また挙げなくても、一瞬にして素の心になれる方には必要の無い代物ですね。店主の場合、神社での参拝ではエチケットとして口に出したり・・・・・人が多くて、ちょっと恥ずかしい時は口ごもりながら３～５回は言挙げ、祈る前に上げさせて頂いております。

次は、大祓詞（おおはらえのことば）に出てくる、”太祝詞事” の意味です。