はじめに

このページを開いて下さいました皆さま、はじめまして。

「福岡の神棚屋さん」店主です。

神具店に行くといつも聞いてみる質問があります。

「何の為に神棚(宮形)って必要なんですか?」

今まで数多くの神具店を周りましたが、どれ一つ納得のいく答えは頂けませんでした。

また、私の家に遊びに来てくれた友達はこう言います。

「なんかすごい神棚があるね・・・・どこの宗教・・・??」

残念ながらこの質問も的が外れています。

第二次世界大戦後、「神道」は宗教法人とされてしまいましたが本来、日本人とは神様(自然の神・神社の神・人の神・その人の心そのもの)の恩恵を受け、神様に育てられ、神様と共に歩んできた民族。

「神道」とは古来より続く日本人の考え方や守り継がれてきた伝統であったり習慣であったり心であったり魂であったり知恵であったり。それを一つ一つ形や名前をその御力として残していったのが「神様」と呼ばれるものそのものであり、共に歩く道が「神道」であり「古神道」と呼ばれている道でもあります。

「何の為に神棚は必要なのか?」

神社に参拝すればその神々の恩恵をよりその身に受け、人はそこよりさらなる勇気や知恵や力を求めます。現実に「幸せになる権利」は皆、平等に持っていて“幸せを求める事”とはおかしな事でも恥ずかしい事でもありません。少しでも御力が頂けるようにと神社へ行き、お受けしてきた神様の分霊を家の中でも大切にお祀りさせて頂く。

また、それと同時に見えない・聞こえない・触れない神様をいつも忘れずに「見えるもの」としてより心で感じやすいように。

その一つの表れが「神棚」というものです。

今まで多くの神棚を見てまいりました。神棚屋に行けばそこにはたくさんの種類と形や様式、金額もさまざまで戸惑ったことのある方も多いと思われます。

また、そこには「神棚の存在意義」の説明がすっぽりと抜け、その割に熱心に立派すぎる神棚を勧めてくださる方々も多かった事でしょう(苦笑)

高額な神棚ほどご利益があるのか・・・・・そうではありません。

本来は神棚に高いも安いもございません。その方に合った、その方が気に入る神棚が一番良いのです。

神棚があれば幸せになるのか・・・・・・・それも違います。

長い歴史の中で私たちのご先祖様が神々様と共に歩み守り続けてきたもの・・・・それは現代の私たちの生きる上での喜びや幸せ、与えられる恵と通じるものでございます。

これからの人生を歩む中で、またご家族や大切な方々と一緒に過ごす中で「見えないものを大切にする心」、「神々様を大切にする心」を想いだし、そこに目に見える形の一つとして、それぞれの自分にあった神棚を大切に大切にして頂きたいと思っています。

神棚屋を通してそのお手伝いが少しでも出来ればありがたく思います。

祭壇


店主プロフィール:昭和50年生まれ。平成23年神職資格取得。神職として神明奉仕・祭祀厳修 を 務めるかたわら、「それぞれに見合った神棚と、神々様との信頼関係」を考え、平成19年より 「福岡の神棚屋さん」を創業。

神棚の設置① 心構え