神棚の設置④ お札について

設置に必要なもので一番大切なもの・・・・そう、それはお札です!

神札やこれを無くして神棚は有り得ません。お受けして頂きたいのは3種。

まずは全日本国民の氏神様になられます「天照皇大御神」様。「天照皇大神宮(アマテラスこうたいじんぐう)」と表面に書いてあったり、通称「お伊勢さん」とも呼ばれております。

次に必要なのが、産土(うぶすな)様のお札。この神様はその地で生まれてくる私たち最初から最後までしっかりと見守り続けてくださる神様、縁の深い神様です。産土様は「氏神様(うじがみ)さま」と間違えられやすいのですが本来は違います。(現在は同一視されている事が多いのですが理由は後ほど説明します)

産土様とはその方が生まれた場所、お腹にいる時よりお母様が実家に戻られたり、更にはしばらく入院して病院でお生みになる事がほとんどだと思いますがこの場合はお母様が生活されていた現住所にいらっしゃる「氏神様」を産土様とお呼びすると意味合い的にも分かり易いかと思います。

現在では引っ越しなどが多く、生まれた場所そのもので生活されている方の方が少ない時代です。氏神様とは、本来その一族の一番上のご先祖様を神様として崇め奉り、その一族の知り得る範囲での長がその名を頂きました。よく使われる「氏子(うじこ)さん」とは神社のお世話をされる方々の総称ですが、これも昔はその一族の子孫が祖先神を敬う意味も込められていたと思います。(現在では祖先・子孫はほどんど関係なく、その守護頂いている地域圏内に住まわれていたり縁のあった方々も広い意味合いでそう呼ばれていますね)一族の長、その一族が支配していた・影響力のあった場所、強いてはその地域を守って下さるという事ですね。

同じ場所で一生を過ごされれば氏神様=産土様となるのでしょうが、先ほども申しましたように今はほとんどが引っ越しをされる時代。出来ればご自身が生まれた場所の氏神様(産土様)がベストなんですが、もし調べても解らなかった場合では現住所の氏神様でも構いません。

また、良く頂く質問に「生まれた場所の氏神様(産土様)は判ったが宮司さんが常勤されてなく、お札が手に入らない」との声を聞きますが、出来れば各県にある神社庁に電話をして宮司さんと直接連絡を取って指示を仰ぐか(神社庁ではすべての神社を統括されている訳ではございません)手作りで作る方法もございます。(これは次の項目でご説明致します)

そして最後は「崇拝する神社のお札」言えば自分の好きな神社やお世話になっている縁の深い神様の神社のお札ですね。

扉が一つしかない一社宮も、三社宮も、それ以上に多い扉の神棚も最低、この3枚が揃えば理想です。天照様のお札は大抵の神社に置いてありますのでそこでお受けしてください。(“お受けする”です。“買う”や“購入する”との言葉は使いません)

入れる順番は「神棚の設置」で詳しくお話させて頂きますが、古来より日本人は大地の恵みに感謝しその恩恵の源に神様の存在があります。稲作という共同体においては、共同体の基いとなる「国」や、恵そのものを生みだす「土地」、そしてそこにある私たちの「心」を優先順位として個よりも公を尊んできた結果に私たちの現在が成り立っています。

役割があっても、どの神様が偉い・尊いという順番は古神道にはありません。どの神様も一列に存在されているものです。ただし祀る順番としては、「伊勢神宮(国)」「産土・氏神様(土地)」「崇拝の神(心)」と考えれば覚えやすいかも知れませんね。

神社でお受けされた際には「薄紙」で巻かれていると思います。これは神棚に納める前に邪気が入らない様に、設置の際には破って捨てて頂いて構いません。この時に、息を直接吹きかけるのは失礼に当たりますので、出来れば半紙などを口に加えて息が直接かからない様にするのがエチケットです。

また、皆さん間違われやすいのですが、お札にも二種類ございまして、「御神札(お札)」・・・紙製のもの。神様そのものと扱い頂いても構わないですし、本来はご神体に直接祈るのは失礼とし、そのご神体と同等として別のものを用意したと考えられるのが正解です。

「護摩札」・・・主に白木などが使われておりますが、元来は祈願用の目的がございまして恐らく神棚に入る寸法では・・・ないはずです。神棚と一緒にお祀りして頂いて構いませんが、神棚の側面などに立てかけるのが一番良いかと思います。


神棚の設置⑤ 設置の仕方

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コメント

渡邊 :

店主様

ご神鏡について、お尋ねします。

ご神鏡の正位置はどこでしょう?

 屋根違い三社型の神棚ですが、階段の上?下?どちらが正しい位置か、以前より気になっております。

また、新しい ご神鏡に変えた場合古いものは、どのように処理させて頂くのが宜しいでしょうか?
そのまま地域の処分に従うのも少し気がひけますし…

良い方法がありましたら教えてください。

kamidanaya :

渡邊様
この度はコメント&ご質問、誠にありがとうございます。お問い合わせの件は年始がはじまり改めて記事にさせて頂きます。今しばらくお待ち下さい。

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